敏腕パイロットのドSな溺愛~離婚するはずが、エリート副操縦士は最愛妻を甘く包んで離さない~
数日が経っても、仲直りできないままだった。

必要最低限の会話しかなく、当然のようにスキンシップは皆無だ。

同じベッドで眠っていても、彼が出社したのにも気づかず、早朝から空港でスタンバイ中の彼から【欠員が出た。羽田から福岡への往復便を飛ぶから、帰宅は夕方以降になる】とメッセージが届く。

公休日の私は、一日とくにすることがなくなった。

家事を済ませ、ひとりでランチに出かける。

彼が交代要員としてアサインされなければ……喧嘩中じゃなかったら、今頃楽しく一緒にショッピングでもしていたのかもしれないのに。

お気に入りの店に入っても、全然気分が晴れなかった。

元々彼は口数が多くない人だ。私を信じていないから話してくれなかったわけじゃない。単に言いそびれていただけ、あるいは彼が言っていたように、とくに関係ないと判断しただけだと考えるのが妥当なのだとわかっている。でも故意に隠されていたような気になり悲しくて、心の面で追いつかなかった。

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