敏腕パイロットのドSな溺愛~離婚するはずが、エリート副操縦士は最愛妻を甘く包んで離さない~
「あの子が私たちを置いて逝くはずなんてないもの!」

お義母さまは自分に言い聞かせているようだった。

「ねえ忠司さん、そうでしょう!?」

「信じよう、大地くんを。信じるしかない」

お義父さまは呪文のように繰り返し、お義母さまの手を握り締めた。

地上の私たちは無力だ。上空の飛行機を見守ることしかできない。

欠員が出なければ、本来なら彼が乗る予定ではなかった飛行機だ。

いったいなんの因果なのだろう。

彼とまだ、仲直りできてきないのに。

もしも着陸に失敗したら……?

伯母を亡くしたときのトラウマが甦る。






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