敏腕パイロットのドSな溺愛~離婚するはずが、エリート副操縦士は最愛妻を甘く包んで離さない~
日本のマスコミは日を追うごとに航空機事故よりも大地さんに焦点を当てた報道をするようになった。大地さんには枕詞のようにイケメンと添えられている。

「大地さんの存在が世界中に知れ渡ってしまいました……」

マンションのリビングで、遠い目をした。

うれしいような悲しいような、女心は複雑だ。

大地さんは昔からものすごくモテるけれど、世界規模になってしまい、もし今知り合っていたら私など視界に入れてすらもらえなかったかもしれない。

そう考えると、ライバルが爆発する前に、すでに結婚していてよかった。

「滑走路であれだけ派手に抱き合ったしな。撮られまくってプライバシーもなにもない」

そうなのだ。

人目を憚らず、というか、大地さん以外まったく目に入っていなかった私が渦中に飛び込んだから、私まで報道の対象になってしまっているのだ。

『奇跡のイケメンパイロット、駆けつけた妻と滑走路で熱い抱擁』

という見出しで写真が載った雑誌が、今手もとにある。

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