敏腕パイロットのドSな溺愛~離婚するはずが、エリート副操縦士は最愛妻を甘く包んで離さない~
思いがけず大地先輩とふたりきりになる。

「えっと、大地先輩はひとりで来ているんですか?」

杏に感謝しながら問いかけた。

「ああ。ここには仕事終わりによく立ち寄るんだ」

「そうなんですか。なんだか運命を感じます。大地先輩への愛を貫いてきた私への、神さまからのご褒美でしょうか」

「お友だちが帰った途端、猛アプローチかよ」

大地先輩は目をすがめた。

「大地先輩への愛がどんどん溢れてきて、止められないんです。十四年前、大地先輩が転校したのを知らなくて、しばらく捜し回っていたんですよ。どうして急にいなくなったんですか?」

「母親の再婚が決まって、ついて行くつもりはなかったんだがいきなり転校させられたんだ。まあ、母親はそのときの再婚相手とはすでに別れて、今はまた別の男と再婚しているけどな」

「えっ」

目をぱちくりさせた。

まさかそんな事情だったとは。

「悪かったな」

謝られ、私はかぶりを振る。

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