敏腕パイロットのドSな溺愛~離婚するはずが、エリート副操縦士は最愛妻を甘く包んで離さない~
「いいえ。私が勝手に待ちぼうけていただけだから。でもそのとき、大地先輩の同級生の女の人たちが、『いい気味』って笑ってきたんです。そしたら大地先輩のお友だちが走ってきて、大地先輩が転校したことを教えてくれて、『あいつらは君を妬んでるだけだから気にするなよ』って」

当時、中学生の分際で高校の周りをうろちょろし、大地先輩に付きまとう私は、彼の周囲の女の人たちから相当疎まれていたようだ。なんと私を締め上げ二度と彼に近寄らせないようにする計画まであったらしい。

しかもそれを止めたのは大地先輩だったという。

『ガキ相手にふざけた真似をしたら許さないからな』

彼のその一言で、私はずっと守られていたのだ。

「私、大地先輩がいなくなるまでなにも知らなくて……。ありがとうございました。なんだかんだ、大地先輩は優しいですよね」

ストーカー呼ばわりしていた私の身すら案じてくれていた彼に、ずっとお礼を言いたかった。

「俺を優しいなんて言うのはおまえくらいだな」

「まあ、誰よりも私をウザがっていたのは大地先輩ですしね」

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