敏腕パイロットのドSな溺愛~離婚するはずが、エリート副操縦士は最愛妻を甘く包んで離さない~
「あのとき先輩がくれたレモンティーの紙パックとストローは私の宝物です。今も大切に保管して、愛でているんですよ」

にっこり笑うと、大地先輩はものすごい表情になる。

「キモ……」

「大地先輩との間接キスはレモンティー味でした」

キモイと言われたくらいではへこまないどころか、さらに気持ち悪がられそうなことを口にした。

そのときの出来事がきっかけで、私はますます彼を大好きになったのだ。

「おまえは筋金入りだな」

しょうがない奴だと、大地先輩は苦笑いした。

よかった、悪い気はしていないようだ。

「再会を祝して飲みましょう」

私はグラスを掲げて微笑みかけた。

大地先輩はあまり口数が多くないので、ほとんど私だけがしゃべりながら浴びるほどお酒を飲む。

「おまえ、家どこ?」

午後十時を過ぎた頃、ダイニングバーを出ると、大地先輩に訊かれた。

「ここからだと電車で二十分くらいですが、まだ帰りたくないです。もう少し大地先輩と一緒にいたいです」

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