敏腕パイロットのドSな溺愛~離婚するはずが、エリート副操縦士は最愛妻を甘く包んで離さない~
まっすぐに見上げながら素直な気持ちを伝えた。

この時間ならまだ営業しているお店はたくさんあるし、もう一軒くらい飲みに行っても終電には間に合うだろう。

もちろん健全な意味合いのつもりだった。

大地先輩は無言で私と視線を交わす。

「大地先輩?」

「おまえって昔からそうやってじっと俺の目を見るよな。しかもこんなところでそんな潤んだ目をして、誘っているのか?」

誘う?

なにげなく周囲を見回すと、すぐそばにラブホテルがあり、私は慌てふためいた。

「誤解です!」

それに目が潤んでいるのはお酒のせいだ。

「俺は入ってもいいけど」

「えっ」

あっさり言われ、耳を疑った。

大地先輩が私とラブホテルに入ろうとするなんてありえない。

「ちゃんと見るとおまえ、かわいい顔してるし」

「嘘! 大地先輩の好みですか?」

「ああ。ちょっとメイクが濃いけどな」

なんということだ。

自分の顔は好きでも嫌いでもなかったけれど、たった今、両親に感謝した。

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