敏腕パイロットのドSな溺愛~離婚するはずが、エリート副操縦士は最愛妻を甘く包んで離さない~
でも、合意とばかりに入り口に向かおうとする彼を阻止する。

「待ってください」

「なんだよ?」

「私、お付き合いしていない人とそういうことはできません」

きっぱり断ると、大地先輩は虚を衝かれた顔をした。

「俺に抱かれたくないって?」

「いいえ抱かれたいです。だからこんな千載一遇のチャンスを逃して、あとで絶対に後悔すると思います。でも順序は大事だし、私はたったひとりの結婚相手に全部捧げるつもりだから」

二十七歳にもなってつまらないことを言う女だと、白けさせてしまったかもしれない。

それでも信念を曲げるわけにはいかなかった。

お堅くて一途なのは、私の長所だと思っているから。

「たしかにおまえには一夜の関係なんて似合わない」

でも私の想像とは裏腹に、大地先輩はおもしろそうに口もとに笑みを浮かべた。

「だから大地先輩、私と付き合ってくれませんか? なーんて」

「いいよ。付き合うか。つーか結婚する?」

「……え?」

百パーセント断られる前提で訊いたのに、まさかの返事に大混乱に襲われた。

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