敏腕パイロットのドSな溺愛~離婚するはずが、エリート副操縦士は最愛妻を甘く包んで離さない~
「おまえとヤるには結婚しなきゃいけないんだろ?」

「その言い方だとドクズに聞こえるんですが」

「ドクズかもな?」

「茶化さないでください。どういうことですか?」

大地先輩はセックスの相手に困ってなどいないだろうし、いきなり私にプロポーズするなんてなにか理由があるはずだ。

「気乗りしない見合い話を母親に持ちかけられている」

彼はすんなり明かした。

「お見合いですか? でも、私じゃなくても大地先輩と結婚したい女性はほかにたくさんいるでしょう?」

「いても信用できない」

吐き捨てた彼は、どこか仄暗い目をしている。それが心に引っかかった。

「私は信用してくれるんですか?」

「十四年間ずっと俺だけを好きなんだろ?」

「そうですけど……私でいいんですか?」

「ちえりがいい」

初めて名前を呼ばれ、心臓が壊れそうなくらいドキドキした。

今までは『おまえ』か『ストーカー』だったのに、いきなり呼び捨てなんて反則だ。

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