敏腕パイロットのドSな溺愛~離婚するはずが、エリート副操縦士は最愛妻を甘く包んで離さない~
「なんでそうなる」

苦笑しながら、再び覆い被さられた。

目もとにキスされ、広い胸に抱き寄せられる。

「もっとちえりを欲しいと思ったからだろ?」

……これは本当に現実?

たとえば私が彼を1000好きだとしたら、彼は私を20くらい好きでいてくれている程度だと思っていたのに。

「大地先輩……私、幸せすぎて怖いです」

「これくらいで怖がるなよ。明日もフライトがないから、朝まで抱いてやる」

「フライト……?」

彼の口からなにげなく発せられた単語に眉をひそめた。

二週間前に再会したとき、彼は長距離運転手をしていると言っていたはずで、それはトラック運転手という意味ではなかったのだろうか。

フライトとはいったいなんだろう。

「ああ。今日と明日はオフで、明後日はパリへ飛ぶから四日間家を空ける」

「パリへ飛ぶ? 大地先輩はトラックの運転手なんですよね?」

「そんなことを言った覚えはない」

即座に否定され、私は固まってしまう。

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