敏腕パイロットのドＳな溺愛～離婚するはずが、エリート副操縦士は最愛妻を甘く包んで離さない～
私の両親は、男っ気のなさすぎる私を心配していたので、諸手を上げて祝福してくれた。

彼のほうは、婚姻届を出すのに親の同意は必要ないと連絡すらしなかった。

それが少し気になったけれど、私は彼の家族に挨拶をしないまま、彼と結婚することになる。

そして今日、無事に入籍し、私は彼がひとり暮らしをしているマンションに引っ越したのだった。

こんなに夢みたいな現実があっていいのだろうか。

幸せすぎて怖い。

そう思っていたら案の定だった。


大地先輩がパイロットだと発覚した翌日の朝、離婚を申し出た。

飛行機恐怖症の私には、彼と結婚生活を継続するのは精神的に不可能だ。

「大地先輩のそばにはいられません。離婚してください」

「職業を理由に離婚できるわけがないだろ」

「私は騙されて結婚したんだから、離婚事由として認められると思います」

リビングで向かい合う私たちの主張は平行線だった。

なにも知らないまま結婚するなんて、やっぱり無謀だったのだ。

我欲を抑えきれなかった私が浅はかだった。

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