敏腕パイロットのドSな溺愛~離婚するはずが、エリート副操縦士は最愛妻を甘く包んで離さない~
「じゃあ、長距離運転手っていうのは……? 大地先輩の職業は……?」

「俺はエアラインパイロットだ」

パイロット――目の前が真っ暗になった。

中学一年生のとき、伯母を海外の小型航空機の墜落事故で亡くして以来、私は飛行機恐怖症だ。

飛行機が落ちる恐怖、人が死ぬ恐怖……パイロットだなんて、きっと大地先輩が仕事に行くたびに気が狂いそうになる。

「どうして今まで教えてくれなかったんですか?」

「再会した日、ちえりがパイロットと結婚なんかありえないと言っているのが聞こえてきたからだ」

悪びれる様子もなく、彼は明かした。知っていてあえて誤解を招くような言い方をしたのだ。

私は彼に騙されたも同然だった。

押し黙った私を、彼はもう抱こうとはしなかった。

――一睡もできないまま夜は明ける。

入籍二日目の朝、私は大好きな彼に「離婚してください」と申し出た。

パイロットの彼のそばにはいられない。




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