敏腕パイロットのドSな溺愛~離婚するはずが、エリート副操縦士は最愛妻を甘く包んで離さない~
『それは直接会って話したいなあ。ちいちゃんが旦那さんと北海道に来てくれたら、おじいちゃん元気になると思うの』

祖母は私に切願した。

電話では言えないくらい大変な状態なのかと動揺してしまう。

「おじいちゃん……」

『和室からおじいちゃんの、ちいに会いたい、会いたいって念仏のように唱えている声が聞こえてくるわ……』

悲しげな祖母の声に、このまま祖父に会えないまま、永遠の別れになるのは嫌だという気持ちが湧き上がってきた。

それでも結局、会いに行くと約束できず、通話を切る。

この機会に大地さんが操縦する飛行機に乗れば離婚話も進められて一石二鳥だと考えてみるが、どうしても決断できなかった。

頭を悩ませていると、大地さんが帰ってきた。

晩ごはんの前にお風呂を済ませた彼とダイニングテーブルに向かい合う。一緒に唐揚げを食べながら、祖母からの電話の内容を伝えた。

北海道まで会いに行きたいけれど、やっぱり飛行機が怖いとも話す。

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