敏腕パイロットのドSな溺愛~離婚するはずが、エリート副操縦士は最愛妻を甘く包んで離さない~
「大地さんは新萩さんと仲がいいんですか?」

尋ねると、彼は顔をしかめる。

「よく見えたか?」

「え……」

それはどう捉えればいいのだろう。

彼がそれ以上なにも言わないので、少し戸惑ってしまう。

「みなさま、おはようございます。この飛行機はJP航空、新千歳行き、358便でございます。当機の機長は――」

しばらくすると出発時の機内アナウンスが始まった。

シートベルトを締めるように促される。

飛行機が滑走路に入ると、心臓がおかしくなったように高速で脈打って体が震えた。

手をつないでいる大地さんには、すべて伝わっているはずだ。

「怖いか?」

尋ねられ、死にそうな顔で彼を見やる。

すぐには声が出なかった。

「なあちえり、飛行機は信じられなくても、俺は信じられるだろ?」

「大地さんは……?」

「ああ。俺が保証する。安全で快適な空の旅をな」

彼がささやいたとき、まもなく離陸するというアナウンスが入った。

とうとう飛び立つのだ。

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