敏腕パイロットのドSな溺愛~離婚するはずが、エリート副操縦士は最愛妻を甘く包んで離さない~
「エヘ。どうしてもちいちゃんたちに会いにきてほしかったのよ」

祖母は悪戯っぽく笑った。

そんなふうにうれしそうにされたら、もうなにも責められない。

客間に通され、私と大地さんは祖父母と向かい合って座る。

私たちからそれぞれ手土産を渡した。

「こんなにたくさんありがとう。それにしても大地さん、ものすごい色男で、おばあちゃん一瞬で二十歳は若返ったわ」

本当に若々しくなったように、祖母は声を弾ませた。

「飛行機で来てくれたんだね?」

祖父に訊かれ、うなずいた。

祖父もまた、私の飛行機恐怖症を心配してくれていたのだろう。

「これからは気軽に乗れるってほどではないけど、大丈夫だったよ」

「そうか……」

祖父母は私を見つめ、感慨深い表情をした。

本当はすでに帰りの飛行機が不安だけれど、ふたりを安心させたくて笑顔を向ける。

「実はね、大地さんはJP航空のパイロットなんだよ。彼が一緒にいてくれたから、今日ここに来られたの」

「えっ、そうだったのか」

祖父は驚き、祖母は遠い目をする。

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