敏腕パイロットのドSな溺愛~離婚するはずが、エリート副操縦士は最愛妻を甘く包んで離さない~
母親の企み side:大地
数日後、ロサンゼルスへ飛んだ俺は、復路便のフライトを終え、羽田空港内のオフィスで簡単に報告を済ませた。
多少の時差ボケはあるが、基本的に五秒あればどこでも眠れるタイプで睡眠時間は足りているし、ステイ中も意識して体を動かしているので乗務直後でもわりと体調はいい。JPAのパイロットの中でもタフなほうなのだろう。
時刻は午後六時半。ちえりの仕事は午後六時までで、すぐに帰って晩ごはんの準備をすると言っていたから、ちょうどよい時間だ。
だが、オフィスを出たところにげんなりする人物が立っていて、思わず重いため息をつく。
「はぁ……」
「私の顔を見た途端ため息なんて失礼な子ね」
十センチは余裕である華奢なヒールを鳴らし、ボディラインを強調したワンピース姿の女性が歩み寄ってくる。
男に媚びるような目と唇を強調したメイクは昔からだが、さすがにそろそろ年相応の落ち着き感を出したほうがいい。
とはいえこれでJPAの社長を落としたのだから、俺以外にはそれなりに見えているのだろう。
とにかくこれが母親だとは思いたくなかった。
多少の時差ボケはあるが、基本的に五秒あればどこでも眠れるタイプで睡眠時間は足りているし、ステイ中も意識して体を動かしているので乗務直後でもわりと体調はいい。JPAのパイロットの中でもタフなほうなのだろう。
時刻は午後六時半。ちえりの仕事は午後六時までで、すぐに帰って晩ごはんの準備をすると言っていたから、ちょうどよい時間だ。
だが、オフィスを出たところにげんなりする人物が立っていて、思わず重いため息をつく。
「はぁ……」
「私の顔を見た途端ため息なんて失礼な子ね」
十センチは余裕である華奢なヒールを鳴らし、ボディラインを強調したワンピース姿の女性が歩み寄ってくる。
男に媚びるような目と唇を強調したメイクは昔からだが、さすがにそろそろ年相応の落ち着き感を出したほうがいい。
とはいえこれでJPAの社長を落としたのだから、俺以外にはそれなりに見えているのだろう。
とにかくこれが母親だとは思いたくなかった。