敏腕パイロットのドSな溺愛~離婚するはずが、エリート副操縦士は最愛妻を甘く包んで離さない~
「なんの用? 奥さんが晩ごはんを作って待ってるから急いでるんだけど」
「その奥さんにいつまで経っても会わせてくれないから直談判しに来たんでしょ」
そういえば、会わせろと言っていたのを思い出す。
「わかったよ。また話しとく」
「そうやってのらりくらりと躱し続けるつもりなんでしょう。そうはさせないからね。今からマンションについて行ってもいいのよ?」
「冗談だろ」
「冗談にしてほしければ、そこのカフェで話をしましょう。入籍したのは内密にとお願いしたのに、空港の到着ロビーで人目も憚らずにぶちまけたんだってね?」
いったいどこから情報を得たのだろう。
とにかくもう逃げられないようだった。
俺は再度ため息をつき、近くのカフェに向かう母親のあとを追う。
窓際のテーブル席に着くと、ちえりに【三十分くらい遅くなる】とメッセージを送っておいた。
ホットティーをふたつ注文すると、母はすぐさま俺を詰り始める。
「公に知られてしまえばすぐに忠司さんの耳にも入るだろうから、私から彼にはうまくあなたの結婚を報告しておいたけど、あなた、自分の立場をわかってる?」
「JPAの一パイロット」
めんどくさそうに答えた俺に、母は目を剥く。
「なにを言っているの? あなたはJP航空の社長である忠司さんの息子なの。それをきちんと自覚して」
「その奥さんにいつまで経っても会わせてくれないから直談判しに来たんでしょ」
そういえば、会わせろと言っていたのを思い出す。
「わかったよ。また話しとく」
「そうやってのらりくらりと躱し続けるつもりなんでしょう。そうはさせないからね。今からマンションについて行ってもいいのよ?」
「冗談だろ」
「冗談にしてほしければ、そこのカフェで話をしましょう。入籍したのは内密にとお願いしたのに、空港の到着ロビーで人目も憚らずにぶちまけたんだってね?」
いったいどこから情報を得たのだろう。
とにかくもう逃げられないようだった。
俺は再度ため息をつき、近くのカフェに向かう母親のあとを追う。
窓際のテーブル席に着くと、ちえりに【三十分くらい遅くなる】とメッセージを送っておいた。
ホットティーをふたつ注文すると、母はすぐさま俺を詰り始める。
「公に知られてしまえばすぐに忠司さんの耳にも入るだろうから、私から彼にはうまくあなたの結婚を報告しておいたけど、あなた、自分の立場をわかってる?」
「JPAの一パイロット」
めんどくさそうに答えた俺に、母は目を剥く。
「なにを言っているの? あなたはJP航空の社長である忠司さんの息子なの。それをきちんと自覚して」