敏腕パイロットのドSな溺愛~離婚するはずが、エリート副操縦士は最愛妻を甘く包んで離さない~
「急だったから、夫が来られなくてごめんなさいね。一週間前から仕事でアメリカにいるの」

「いえ。お義父さまは海外でお仕事されているんですね」

「JP航空の社長だと、大地から聞いていないの?」

怪訝な表情を浮かべたお義母さまに、私は目を瞬かせる。

「えっ、そうなんですか」

では大地さんはお義父さまの会社で働いているということだろうか。

彼からお義父さまの話を詳しく聞いたことがない。

「知らずに大地と結婚したのね?」

「はい。お義母さまが再婚されたとは伺っていますが」

「……事情聴取するみたいで心苦しいんだけど、大地とあなたの関係を教えてもらえるかしら? ふたりはいつからの知り合い? ちょっと混乱しているわ」

家族の素性もわからないまま結婚した私に、お義母さまはかなり戸惑っているようだった。

「知り合ったのは私が中学一年生、大地さんが高校二年生のときです。学校の最寄り駅が近くて、私が彼に一目惚れしました」

「そんなに昔からの付き合いなの」

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