敏腕パイロットのドSな溺愛~離婚するはずが、エリート副操縦士は最愛妻を甘く包んで離さない~
「はい。でも当時は相手にもしてもらえず、私が一方的に追いかけていただけでした。彼と十四年ぶりに再会して、二週間でスピード入籍することになったんです」

「なるほど、だからなにも知らないのね」

お義母さまは腑に落ちたようだった。

すぐに私に申し訳なさそうな眼差しを向ける。

「大地はお見合いをするのが嫌だったようなの」

それは大地さんから聞いていたので、私は無言でうなずいた。

「だから、たまたま都合よく再会したあなたを利用したんでしょう。大地を好きなあなたなら簡単に結婚してくれそうだと思ってね」

たしかに私は容易に彼のプロポーズを受けた。

でも彼が私を利用したというお義母さまの言葉が、どうしようもなく頭の中をぐるぐる回る。

「そんな間に合わせの結婚なんて、すぐにうまくいかなくなるわ。すでにもう、なにかあるんじゃないかしら?」

鋭いお義母さまに、私はビクッとしてしまう。

「えっと……」

「やっぱりあるのね? 義母としてではなく、ひとりの女性として私に話してくれるとうれしいわ。私はあなたの味方よ」

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