敏腕パイロットのドＳな溺愛～離婚するはずが、エリート副操縦士は最愛妻を甘く包んで離さない～
「お詫びと言ってはなんだけど、私があなたにいい人を紹介するわ。次の結婚相手として申し分のない、一流の男性よ。すぐにでも場を設けましょう。まだ大地と夫婦だからって気を使わなくていいのよ」

思いがけない話に、面食らってしまう。

お義母さまは、好き勝手なことをしている大地さんを、こちらから捨ててやりなさいと言っているのだ。

そのために、私に別の男性をあてがってまで。

「どうかしら？」

私が喜んで乗っかると信じて疑わないような、満面の笑みだった。

「お断りします」

私は言下に撥ねつけた。

お義母さまに対して失礼な態度を取っているかもしれない。でもためらいは少しもなかった。

「どうして？　大地よりもお金も地位も名誉もある男性よ？」

お義母さまは心底理解不能だというような表情だ。

「私は大地さん以外、好きになれません」

「あなたも大地と同じで、そういうものに釣られる女性は軽蔑するって？」

「そうではないです。本当に、ほかの男性に興味がないだけです」

もう、潔いくらいに。

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