敏腕パイロットのドSな溺愛~離婚するはずが、エリート副操縦士は最愛妻を甘く包んで離さない~
「それに、さっきお義母さまは、大地さんが私を利用したとおっしゃいましたが、私はそんなふうに思っていません。大地さんはプロポーズしてくれたとき、『ちえりがいい』って言ってくれたんです。私は彼を信じます」

大地さんになら騙されてもいいというわけではない。

大地さんは私を騙したりしないと、そう信じているのだ。

だから、私は迷いなく彼との結婚を決められた。

私の言葉に、お義母さまは顔を歪める。

「あなたはいったいどうしたいの? 大地と離婚したいんでしょう? 私はあなたのその望みを叶えるために、合理的な手助けをしてあげようと思っただけよ」

「離婚については、きちんと大地さんと話し合うつもりです。ただ、どういう話になっても、絶対に誠実でいたいんです。彼が好きで別れるんだから、嫌な思いはしてほしくないんです」

たとえばだけれど、大地さん以外好きになれなくても、ほかに好きな人ができたと嘘をつけば、すんなり離婚できるかもしれない。

でも私はそういう方法を取るつもりはないのだ。

本当の私を見てもらい、納得してもらわなければ意味がないから。

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