敏腕パイロットのドSな溺愛~離婚するはずが、エリート副操縦士は最愛妻を甘く包んで離さない~
ああ、早く家に帰って、彼にもらったレモンティーの紙パックとストローを愛でたい。

心ここにあらずになってしまう。

「どっかで聞いた声だと思ったらおまえか」

不意に背後から話しかけられて振り返った。

するとそこにはまさかの人物がいて、一瞬思考回路が停止する。

……幻聴? 幻覚?

それともこれが噂をすればなんとやら?

ラフにおろした前髪から覗く、きれいな二重の涼しげな目もと、すっと通った高い鼻梁、口角の上がった薄めの唇は十四年前の記憶のままだ。

いや、年齢を重ね、かっこよさに磨きがかかっている。

ただそこに立っているだけなのに、彼は店内の視線のすべてを掻っ攫っていた。

「大地先輩!」

思わずソファから飛び上がった。

大地先輩は昔から背が高かったけれど、さらに大きくなっている。

私の記憶では、彼は百八十センチ前後だったはずなのに、百六十センチの私より二十五センチくらい高そうだった。

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