この景色を、君と何度も見たかった。
【はる said】

復讐計画2日目

「今日は何を決める?」

どんなふうに復讐をしたいかを決めたいなと私は思っていた。

彼はこう言った。

「もし失敗したらどうする?」

別にそれはそれで良いと私は思っていた。

ただ今のこの時間がすごく楽しかった。

私たちをここまでさせたあいつらが悪いとずっと思っていた。

そうでもしないと自分がおかしくなってしまいそうだった。

「別にそれでも良い」

と私は言った。

彼はいつものように

「そっか。」と言った。

私も気になったので同じ質問を返してみた。

「じゃあ、月城君は失敗したらどうする?」

別にどうもしないよと言うような顔をしていた。

でも彼から出た言葉は違うかった。

「後悔をしないならばどういう結果になっても別にいい」

確かになぁと思った。

でもどっちにしろ、どんな選択をとっても後悔するのがいつもの私たちだ。

後になってあーすればよかった、こうしておけばよかったのに。といつも後悔をしている。

だからどんな選択をとっても、後悔をするに違いないと私は思っていた。

これだけは自信があった。

私はまた1つ質問をした。

「月城君は後悔をすると思う?」

すると、動揺した彼は考え込んだ。

復讐計画を立てて2日目だが、もうすでに辞めたいと思っているのだろうか。

彼はそんな中途半端な考えで復讐をしたいと言ったのだろうか。

それならば今すぐやめてほしいと思う。

そう思うのはこの行動が決して良い方向に行くとは思えないと、心のどこかで自分自身が、1番わかっていたからだと思う。

でも、もう私は決めた。

決めたことを、いつも投げ出してしまうのが私だった。

でも今回はやめるわけにはいかない。

それは彼と変わると約束をしたから。

そうすればまた何か変わると思った。

今回は絶対に、逃げないと中途半端で終わらせないと最後の最後まで自分の行動に責任を持って、この計画を終わらそうと決めていた。

この計画が終わってしまうとともに、月城くんとの、この誰も知らない関係を終わらしまう事は少し寂しい気もしたが、そんなことを気にしていれば何もできない。

だから私は復讐に向けて前を見続ける。

今まで、ずっと下を向いてきたから、新鮮な気持ちだった。

前を見続ける人間がひどく輝いて見えたのは、こういう強い意志があったからだろうか。

他人から見れば今の私も少し変わって見えているのだろうか。

それはわからないが、今の私は他人から見た自分などどうでもよかった。

そして今日1日は終わった。

復讐計画2日目、何も決まらず終わった。
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