日本から出られない!



そして、前くんがそばにいるのが当たり前だった中学校の三年間なんてあっという間で、私は「絶対に一緒の高校に行くんだからな!」と前くんのスパルタ授業を受け、偏差値の高い進学校に進むことができた。

中学でグンと背が伸びた前くんは、イケメンもさらに磨かれていて、女の子たちの視線を入学初日から集めることに。でも、どんな可愛い子に声をかけられても見向きもしない。もったいないなぁ……。

「前くん、せっかくのだしクラスのみんなともっと話したらいいのに。特に女子なんて話したがってるよ」

「別にお前以外の女子、興味ないし」

気だるそうにそう言われた時は、ちょっとドキッとしたけど、私は前くんのことはただの幼なじみとしか見れない。まあ、告白ってわけじゃないよね?

高校でも英会話を勉強できる部活があり、私はそこに入部した。前くんも中学と同じ剣道部に。そして、前くんが部活が終わるまで待つというルールも変わらず同じだった。
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