オフィスラブは突然に〜鬼部長は溺愛中〜

　憂鬱に思う事があっても、朝は必ずやってくる。柚は、寝て起きると嫌なことがあっても切り替えると決めている。

「さあ、今日も頑張ろう！」自分に言い聞かせるように起きる。

　いつもの時間に起き、リビングに行くとすでに楓は起きていた。

「楓おはよー早いね」

「ああ。今日は、いつもより早く出る。夜も遅くなるわ」

　SEの楓は時間が不規則で、あまり家でも顔を合わせない。昨日は、本当は無理をさせたのだろう…

「無理しないでね。今日は夜ご飯は？」

「今日はいらない。もしかしたら泊まりになるかも。柚は？今日は何時に出るんだ？」

「今日は、私も遅めに会議が入ってるの。だから、出勤をお昼前にしてる」

「そっか、帰り遅くなるなら気をつけろよ」

「うん。ありがとう」

　あっという間に準備を終え出掛けた楓を見送り、余裕のある朝に家事をする。普段から、余裕がある方が家事をしている。楓は何でも器用に熟す。滅多にないが、楓の方が早い日は料理もしてくれる。細かくは決めていないが、今まで困った事は全くない。