オフィスラブは突然に〜鬼部長は溺愛中〜
 たまたまコーヒーを買いに来て、通りかかった休憩室横の給湯室から聞こえる複数の女性の声。

 本人達は、休憩室まで筒抜けだと気づいていないのだろう。注意しようと思った矢先聞こえて来た彼女の名前。話をしているのが、うちの部署の新入社員の高木だとわかり、入口の壁に寄りかかり様子をうかがうことにした。

 聞こえてきた話では、どうやら彼女には迎えに来る彼氏がいるようだ。俺にとっては聞きたくなかった話。そして、段々とエスカレートしていく話は、聞くに堪えないものだった。

 完全に一方的な嫉妬からくる理不尽な内容だ。今年の新入社員は外れだと思っていたが、人として社会人として何もかも失格だ。会社を何だと思っている。

 始業時間も近づき俺の怒りも限界に達していたので、給湯室のカーテンを思いっきり開けた。ここはひとまず聞いていた事は言わず、仕事に戻した。さあ、こいつらをどうしてやろうか…

 にしても、余計な情報まで知ってしまった…

 彼女に彼氏がいても全く不思議はないが…

 諦められそうにない…



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