オフィスラブは突然に〜鬼部長は溺愛中〜
悪意と真実
 のんびり家事を熟し、嫌でも出勤時間がやってくる。高木の事を思い出すと胃が痛い…

 それでも仕事は待ってくれない。胃が痛いのは気持ちからだと思ってやり過ごしていた。今日も大事な会議があるからと胃薬を飲み会社に向かう。

「おはようございます」

 ビルの一階のゲートの前には警備員の姿。社員証を翳し通るのだが、柚はいつも警備員さんにも爽やかに挨拶をする。警備員さんに挨拶をする柚の姿は、このビル内にオフィスをもつ男性社員の中でも噂になっている。小柄で明るく可愛らしい柚は、本人無自覚だが有名なのだ。

 機会があれば話をしたい、仲良くなりたいと思っている男性達は、柚の姿を見ると挨拶をするのだ。された柚は、全く下心には気づかず挨拶を返す。今や柚が『ユニバースエージェント』の社員だということは、このビルの男性達には知れ渡っている。

 『ユニバースエージェント』の女性を見つけては、合コンを持ちかける人が後を絶たない…

 柚が参加する事はないが、日々柚の参加を期待した合コンが繰り広げられている。





 
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