オフィスラブは突然に〜鬼部長は溺愛中〜
 オフィスに着き、挨拶をしながら自分の席に向っていた柚は、何故かいつもより視線を感じた。首を傾げながらも自席につき、部署内にいる人達に声を掛けた。

「おはようございます」

「おはよう」「おはよー」と挨拶が返ってくる中、高木はこちらを見ようともしない。社会人としてどうなのかと思いながら内心でため息をつく。朝よりも胃のあたりが痛む気がする。

「観月」

 落ち込む暇もなく椎名部長から声が掛かった。

「はい」

「今日の会議資料は?」

「はい。今日出席の皆さんの所にデータを送りました」

「印刷を頼んだ分は?」

「はい。それは、高木さんに…」

 柚と響が高木を見ると、高木はえっ?という顔をした後、はっきりとした口調で言い切った。

「私、観月先輩からは何も頼まれていません。私のせいにしないで下さい」

「「…」」

 シーンと部署内が静まり返った。柚も響も咄嗟に言葉も出ない。

「観月と高木、ちょっと来てくれ」

 この場では、皆の注目を集めすぎている…



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