オフィスラブは突然に〜鬼部長は溺愛中〜
「??それは、どういう事ですか?」

「すみません。プライベートな事に口を出すようで。今朝、うちの社内の者が、昨日観月さんの彼氏が社まで迎えに来ているのを見たと話をしていたのを聞いたので…」

「昨日?ああ、それ俺です」

「へ?」

「ご期待に添えなくて申し訳ないですが、昨日柚を迎えに行ったのは間違いなく俺ですよ。柚に彼氏はいないので。俺と一緒に暮らしているので間違いないです」

 思いがけない事実に、響は内心で大喜びする。今は柚の体調を考えると喜んでもいられないが、今朝聞いた話で落ち込んでいた分、一気にテンションが上がる。

「あの」

「はい?」

「今日は、柚さんを私に任せてもらえないでしょうか?」

「はい⁉️どういう事ですか?」

「初めてお話するしかも電話越しに失礼かと思いますが、私は柚さんに惚れています。だからと言って、柚さんの気持ちを無視してどうこうするつもりはありません。純粋に一人の家に帰すのが心配なんです」

「…」顔も知らない相手に電話越しに言われても、はいそうですかとは簡単に返事できない。




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