オフィスラブは突然に〜鬼部長は溺愛中〜
「で?どうした?」

「たくさんの患者さんが待たれてますが?」

「ああ、大丈夫だ。柚にかかりつけの病院がなかったら連れて来るつもりだったから、昨日に連絡入れたから」

「なるほど…」

 仕事だけでなく、何もかも完璧な部長様だ。

「観月様〜観月柚様〜1番の診察室にお入りください」マイクの声が響く。

「ほら、行って来い。不安ならついて行こうか?」

「大丈夫です!」

 呼ばれて入った診察室には、部長にも負けず劣らずな白衣を着たイケメンが…ただ、なんとなくチャラそうだ。

「観月柚ちゃん。いらっしゃ〜い」

「…」チャラい。

「あれ?聞こえない?」

「いえ。よろしくお願いします」

「柚ちゃん堅いなぁ〜響みたい」

「はあ。椎名部長のお知り合いなんですよね…」

「知り合い…響がそう言ったの?」

「はい。違うんですか?」

「知り合いというか、お兄ちゃん」

「はあ⁉️」

「だ、か、ら〜響のお、に、い、ちゃん」

「…チャラい…」

「柚ちゃん心の声だだ漏れ…」

「すみません」

 思わず出てしまった言葉に、柚は思わず口を押える。

 


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