オフィスラブは突然に〜鬼部長は溺愛中〜

「柚ちゃん面白いね〜響が女の子連れて来るなんて初めてで、テンション上がるわ〜しかも、こんなにちっこくて可愛い子」

「ちっこいって…気にしてるのに〜」敬語ですらなくなっている。

「何で？可愛いじゃん」

「病院の先生ってこんな軽くていいんですか？」

「え〜ダメ？」

　よく見ると響と似ているのだが何せチャラい。しかも、あれだけの患者さんが待っているのに、自分に時間を取らせるのは申し訳ないと思う。

「椎名先生」

「え〜。俺さぁ誉(ほまれ)って言うの。椎名先生は何かヤダ」

「…兄弟揃って、下の名前呼べって…」

「…」

「どうしました？」

「響、下の名前で呼べって？」

「はあ。何か可笑しいですか？」

「イヤ。なるほどね〜。絶対俺の事も下の名前で呼んでね。さあ。雑談はこの辺にして、柚ちゃんの診察をしよう」

　突然医者の顔になる。何点か問診の後、胃カメラで検査する事になった。

「検査の用意が出来たら呼ぶから待合室で待っててくれるかな」

「はい」