オフィスラブは突然に〜鬼部長は溺愛中〜
「意識せずにはいられません」

 響はお風呂上がりの色気を放ったまま柚に近づき、そっと抱きしめた。

 柚は驚きでビクッとする。

「嫌か?」耳元で囁かれる言葉。

 響の腕の中で、柚は首を横に振る。

「恥ずかしい…」

「柚、俺は柚が入社してからずっと気になって見てたんだ。一生懸命働く柚も、休憩室で外の景色を眺めてる柚も、そしてショックを受けていたり耐えている柚も…」

「えっ?」腕の中から視線を上に向け響を見ると恥ずかしそうな照れた顔。

「ずっと好きだったんだと思う。ただ柚は部下で、しかも会社での俺は鬼だと言われているから、どうするつもりもなかった。けどな、昨日の朝、高木達が柚の彼氏が迎えに来てたと噂してるのを聞いたんだ…」

「彼氏って…」

「ああ、楓くんの事だな。彼氏がいると知って、かなりのショックを受けたんだ。そこで、自分の想いを再認識した。楓くんがお兄さんとわかって、どんなに嬉しかったか。だから、決めたんだ」

「??」

「もう、見てるだけで後悔したくない。自分の想いを柚に伝えるって」

「響さん…」






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