オフィスラブは突然に〜鬼部長は溺愛中〜
 昨日も乗った車に乗り込み走り出す。何度見てもカッコイイ響の運転している姿。一昨日までは鬼部長。それが、気がつけば彼氏になっていた。初カレがハイスペック過ぎて、未だに夢じゃないかと思ってしまう…

「どこに連れて行ってくれるの?」

「そうだなぁ。癒やしといえば海か山だよな。どっちがいい?」

「う〜ん。山…」

「じゃあ富士山方面に走らせて、アウトレットでブラブラするか?」

「わぁ〜ホントに?楽しそう」

「今日は、日常を忘れてとことん楽しもう」

「はい!」

 都心から離れ長距離ドライブ。ストレスや疲れを癒やしに向かった先で、まさか柚の悩みが一気に解決する出来事が待っているとは、夢にも思わない二人だった…

 混雑もなく爽快に西に向かって高速を走る。

 付き合ったばかりの二人は、話題が尽きることなく話し続ける。

「そういえば、響さんはお兄さんと二人兄弟ですか?」

「ああ。柚は?」

「私も、楓と二人兄妹です」

「双子なんだよな…」

「私の身長は楓に全部持っていかれたんですよ〜」

 口を尖らせ文句を言う姿が何とも愛らしく、運転中じゃなければ、すぐに唇を奪っていただろう。



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