オフィスラブは突然に〜鬼部長は溺愛中〜
「ブッ、それは…」笑いを堪える。

「私、こんなに小さいのに、楓だけスクスク伸びたんですよ?ズルくないですか??」

「小さいの可愛いからいいじゃないか」

「私はスラッと背の高い女性に憧れてるの!」

「俺は、ちっちゃい柚が可愛くていいよ」

「…」甘い言葉に顔を真っ赤にして俯く。

 響は、運転の合間にチラッと柚を見て、頭をポンポンとする。今すぐにでも抱きしめたい衝動を抑えているのだ。

 途中、サービスエリアに寄り道をして、楽しみながら目的地に向かった。

 車から降り、響が自然に柚の手を取り歩き出す。渋滞なくここまで来たが、流石に休日のアウトレットは人で溢れている。途中のサービスエリアで少しご当地グルメを楽しんだ二人は、昼食は後にして先に少し見て回る事にした。

「響さんは、何か欲しいものがあるの?」

「柚がこれからうちに来る事が増えるだろうから、食器とか足りないものを買い足したい。柚用のスリッパとか雑貨も見よう」

「玉子焼き用のフライパンも欲しい…」

「ああ」

 柚の好みを聞いて揃えていく。会社の目の前のマンションだから、会社帰りに寄りやすい。



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