オフィスラブは突然に〜鬼部長は溺愛中〜
 週明けの社内はバタバタしている。それは毎週の事で驚かないが、普段なら部内を引き締める存在の部長がずっと席を外している。

 月曜の午前中に、席に部長がいない事に驚く。何かあったのだろうかとみんなが詮索する。

 高木に至っては、部長がいない事をいいことに、堂々とサボっている。

 社内にはいるはずなのに、お昼を過ぎて戻らない部長に、今度は何か大変な事が起きたのではないかと心配の声が上がりだす。

 そしてこの日は、終業時間になっても戻って来なかった。

 柚も気にはなったが、仕事が終わったので帰る準備をして休憩室に向かった。そして、いつものように外の夜景を眺める。どんなに疲れていても癒やされる柚の楽しみ。

 そして、今日一日の社内を思い出す。部内の数人は朝から外出していた。そして、半分くらいはいつも通りだったと思う。たが、残りが酷かった。あからさまに部長がいなくてダレる者、部長がいない緊張感から開放されて仕事の効率が落ちる者、高木のように全く仕事をしない者。





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