オフィスラブは突然に〜鬼部長は溺愛中〜
「そうなんですか?」

「ああ。笑うような事もないしな…」

「そういえば、今日一日社内には居たんですよね?」

「ああ。大事な案件があってな」

「そうですか…」

「ん?何かあったか?」今の響は、鬼部長ではなく、柚に甘い彼氏で休日モードだ。

「部長。ここ会社ですよ?」

「わかってる。会社でもどこでも、自分の彼女が溜息をついていたら心配するだろう?しかも、終業後の休憩室で。柚のお気に入りの場所だろう?」

「えっ?」

「気づいてなかったか?柚が何かあったり、疲れた時にここに来て景色を眺めている姿を、俺はずっと見てきた」

「ええっ?」

「全く気づいてなかったんだな。辛そうな顔や泣きそうな顔の時、何度抱きしめたいと思った事か」

「響さん…」

「で?今日はどうした?」

「ん〜、今日一日で椎名部長の偉大さを改めて認識したんです。部長がいない部内はダメですね…」

「柚…そんな可愛いこと言って俺を誘ってるのか?」

「ええっ?」

「無意識で俺を煽ってるのか…」

「煽る〜??」

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