オフィスラブは突然に〜鬼部長は溺愛中〜
 エレベーターで42階に降りてすぐに、ユニバースエージェントの受付はあり、社長室はフロアの最奥に位置する。

 開放的な造りの社内は、所々パーテーションがあるものの、見通しがよく全体が見渡せる。

 企画マーケティング部は、フロアの真ん中辺りに位置し、来客が社長室に向かう際は横の通路を通るので、来客の姿を見ることが出来る。

 いつもなら誰も気にもとめないが、響の慌てた様子にただ事ではない雰囲気を感じ、皆が仕事をしながらも誰が来たのか興味津々だ。

 そして、響を先頭に男性二人がついて来ていた。そして、みんなが驚き目を見開く。

 二人のうち年配の男性は、ライバル会社である『伝光堂』の社長だったのだ。最近でこそ『ユニバースエージェント』の方が業績は上だが、伝光堂は歴史のある会社だ。社長もメディアに取り上げられる程の人物だ。

 みんなが疑問に思う中、ひとり別の人物の名前を呟く者が…

「えっ?裕太?」

 そう高木だ。高木の声が聞こえたのか、もう一人の男性が声が聞こえた方を見た。そして、高木と目があった瞬間…

「チッ」と舌打ちをしたのだ。



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