オフィスラブは突然に〜鬼部長は溺愛中〜

「えっ？？」

　彼氏だと思っていた男性からの舌打ちと冷たい目線に、何が起こったのかわからない高木。

　近くにいた柚は、驚き目を見開く。高木は確かに裕太と言った。裕太と言えば、先日の高木と彼氏のやり取りで聞いた名前だ。

　信じたくないが、高木の彼氏は伝光堂の人間のようだ。響が相手に気づいていたが、こんなに大事になるライバル会社だとは、柚は思いもしていなかった。内容によっては逮捕されるくらいの事態だ。

　呆然とする高木を相手にする事なく、響と男性二人は共に社長室に入っていった。

　高木はさすがに大変な事が起こっているのだと気づいたのか、その場に泣き崩れた。

　先日の高木と彼氏のやり取りを聞いていた柚は、高木を気の毒に思うが、悪い事をしているのは事実。

　ただ、他の社員は伝光堂の社長がライバル会社にやってきた意味が全くわかっていない。

　どうなるのか、行方を見守るしかない…