オフィスラブは突然に〜鬼部長は溺愛中〜
 一方社長室では…

『コンコン』

「はい」

「椎名です。お客様をお連れしました」

「どうぞ」

 響は扉を開け二人の入室を促し、自分も一緒に入った。中には、厳しい顔をした社長の姿。

「どうぞお掛け下さい」表情は硬い。

 社長室は、今や業績ではトップクラスの会社のわりにはシンプルで、謙虚な社長の人柄を現している。若くして成功者となるに相応しい人物だ。

 対照的に、伝光堂の社長はデップリとした体型に全身ブランド物を身にまとい、偉そうな印象をうける。

「ワシを呼びつけるなんて、ユニバースさんも偉くなったもんだな」やはり印象通りらしい…

「お越しいただきありがとうございます。ですが、内容はお話させていただきましたよね?」

「ああ。うちの橋田がこちらの新入社員と付き合っていて、何か問題があるのか?そこまで会社がとやかく言うことじゃないだろう」

「はい。ただ付き合っているだけで、お互い守秘義務を守れて付き合っているなら問題ありません。ですが、情報を得るためにこちらに就職させたのなら、話は別です」



 


< 85 / 148 >

この作品をシェア

pagetop