オフィスラブは突然に〜鬼部長は溺愛中〜

「今回は社長と相談して、甘いかもしれないが高木は新入社員で重要な案件や情報をほとんど知ることはなかったので、君たちを訴える事はしない。このタイミングでバレた事を感謝して、一からやり直せ。こちらも、高木には退職してもらう。ただ、高木は先輩への嫌がらせなど、他にも問題があったから、厳しいが解雇させてもらう」

　響は、会社の損害になる行為も許せないが、柚に対する態度も許せなかったのだ。高木には、反省してほしい。

　スッと立ち上がった橋田は、深々と頭を下げた。

「この度は、御社に大変なご迷惑をお掛けいたしました。申し訳ございませんでした」

　今までの傲慢な印象とは違い、橋田はスッキリした顔をしている。今の橋田ならやり直せると思える。高木とは今後どうするかはわからないが、二人が立ち直れる事を願う。

　この後、高木も社長室に呼ばれ、解雇を言い渡された。高木も最初は全く納得していなかったが、橋田からも諭され自分がどれだけ悪いことをしていたか気づいたようだ。

　二人は改めて謝罪し、ユニバースエージェントを去っていった。