ネコの涙
【5】ヒトミ
~7年後~


『きったねぇ~!』

『こいつゲロったよ、あはははは!』


蹴られたお腹を押さえてうずくまる。

『何か今日はあっけねぇ~。つまんないから行こ!』


昼休み。校舎の裏で「遊んでいた」彼女たちが立ち去って行く。

暫くして、午後の授業の鐘が鳴った。

ゆっくり、何とか立ち上がる。

彼女の名は、佐藤瞳。中学2年生である。

(お腹、痛い・・・。もう、今日は帰ろう。)

彼女はふらふらと、午後の校庭を出て行った。
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