たぶんもう愛せない
豚肉と卵の炒めものとハムときゅうりのサンドウィッチ、にんじんと玉ねぎのスープをテーブルに並べていると海が起きてきた。

「幸せだな」

「え?」

「奈緒のご飯は旨いね、毎日食べられて幸せだなって」

「私も誰かが食べてくれるって作りがいがあって嬉しいし楽しいよ」

「そうか、今日はテニスだっけ?」

「うん」

「俺も一緒に習おうかな」

「そう言えば海って何かスポーツをしていた?」

「ありがちだけど、サッカーをやってたんだ。高校2年でやめたけど」

「どうして?」

「受験に集中するために辞めたんだが、逆に煮詰まってスランプというか、成績が下がったんだよ」

「でも大学受験はうまく行ったのよね?それならスランプを克服できたのね」

「ああ・・・そうだな」

きちんと恋愛して結婚したわけじゃない。
だから、私の知らないことばかりだ。

でも、これ以上知る必要もない。


海と一緒にスクールに行くこともない。
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