たぶんもう愛せない
スーパーの駐車場の入り口にある植え込みのブロックにテニスバッグを抱えて座る。

大丈夫、今度はお義父さまは死なない。
とにかく落ち着こう。
今は、泣いている場合じゃない。
終わらせるなら今日だ。これ以上、私の復讐のためにお義父様を危険に晒すわけにはいかない。

心臓のポンプが壊れるんじゃないかと思うほど高速で動いていた。少しずつ正常な速さにもどしていく。

自販機を見つけてミネラルウォーターを購入すると一気に飲み干した。
体内の熱が冷たいミネラルウォーターで冷却された。


あの日、弥生が言っていた言葉を思い出す。


「もう、あと少しでイケたのに。奈緒ちゃんあなたもう退場してもいいわ、匠の保険金も入るし慰謝料をたっぷりと弾んであげる」


自分で殺しておいて、なんて人なの。
海も知ってた？もしかして共謀してた？
お義父様を殺して、私を殺して弥生は新宮海智の内縁の妻の座にでも収まった？
そして、永遠を自分の子供のように手に入れて三人で幸せになったの？


あの二人を許さない。

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