たぶんもう愛せない
車から降りて目的地まで二人で歩きました。
こんな風に、穏やかに二人で歩いたのは初めてでした。

「俺が反社との繋がりを持ってしまったせいで、会社はマズいことになってしまうんですよね。俺を排除してほしい、お祖父ちゃんの気持ちを踏みにじてしまった」

わたしにも責任は大いにあります。
一緒に責任を取りましょう。

「神山さんがはじまりなんでしょ?」

そうですね、この物語の始まりといえばそうかもしれません。


遠くにダムが見えてきてその手前の橋の上に立った。
下を見ると轟轟と川が流れている。

海智はどこにいるんだろう。
手に持った花束を川に向けて投げ入れる。

「生まれ変わったらまた母さんの元に行けるかな?そうしたら、あんな父さんじゃなくて母さんを幸せにしてくれる人が俺の父さんになってほしい」

弥生さんの死に永遠くんは関わってる?


永遠くんはニッコリと笑って、わたしの胸を勢いよく押しました。

落下していく時に永遠くんが落ちてくるのが見えましたが、わたしの記憶はここまでです。


涙が止まらない
「神山さんはいつ回帰したんですか?」
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