たぶんもう愛せない
「朝食は特に必要ないし、お昼もいらないから夕食だけ作っておいてくれればいいわ、食べたいものがある時はLINEで伝えるわね。匠が支払う手当て以外の費用とは別に月に5万を振り込んでおくからそこから使って、足りなければ言ってくれれば追加で振り込みます。余ればそのままあなたが使ってくれていいわ」

「わかりました」

「それ以外の家事も適当にお願いね土日祝日は基本お休みでいいわ、不要な時もLINEしておくから。あと、クリーニングは決まったところがあるから連絡をすれば取りに来てくれるから」

キッチンからリビング、バスルーム、書斎と弥生が部屋の説明をしていく。
最後にベッドルームに行くとキングサイズのベッドが置かれていてクローゼットとドレッサー、ベッドの前にはサイドボードがありジュエリーボックスや置物が置いてある。

弥生は家に興味がないのか置物の配置も記憶のあるものと全く同じだった。

社長は書斎のベッドを使っている、この大きなベッドは海との愉しみに使っているってことよね、二人が使ったシーツを私は洗わされていたんだ。
洗って、アイロンまで掛けて
これからはクリーニングに出そう。

「じゃあ、明日からお願いね」

「わかりました」

社長宅と私たちの家を繋ぐドアを開けようとした時
「海くんとの生活はどう?」

それは生活?性活?
「海は・・すごく・・優しいです」
下を向いて肩をちょっとだけ上げ、可愛く照れる素振りをする。

「そう」
弥生の声が乾いていた。
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