たぶんもう愛せない
基本的に食事は作りやすいため“家”で作っている。
イカと里芋の煮物と茄子の煮浸し具沢山のお味噌汁、もずく酢をカートに乗せて持っていくとお義父さまが帰宅していた。

「奈緒さんいつも美味しい食事をありがとう」

「おかえりなさいお義父さま」

テーブルに食事を並べていると大きめな箱を手に持って来た。

「明日は誕生日でしょう」

「はい、ご存知だったんですか」

「そりゃ、うちのお嫁さんなんだから。明日は、海智がお祝いをするって言っていたから1日早いけどプレゼント」

そう言うと箱を渡された。

「あら、奈緒さんお誕生日だったのね」

「はい、明日なんですが」

「そう、おめでとう。いくつになるの?」

「24歳です」

「若いわね」
弥生は私の喉元に目線をやるとペンダントを摘んで「あら、かわいい。海くんから?」

「違います。もともと持っていたもので、誕生石なので付けたんです」

「へぇ〜派手じゃなくてよく似合ってるわ」
そう言った弥生の手に力が入る。
キスマークが目に入ったんだろう。

嫉妬してるんだ。

ちょっと面白い。


「お義父さま、ありがたく頂いていきますね」

ニッコリと微笑んで“家”に戻った。
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