たぶんもう愛せない
食事を準備するときにお義父さまが声を掛けてくれる。その心遣いがうれしいし、なにより料理を褒めてくれるのはやり作り甲斐がある。
弥生は美顔ローラーでコロコロしながらドラマを見るのが日課らしく、食事の準備が完了するとダイニングにくる。
もしかすると、私を見るのが嫌なのかもしれない。まぁ、私もあの女に愛想笑いをしなくてもいいからありがたい。


『そろそろ家につく』

海からのLINEが届くと夕食の仕上げに入る。
海が準備の基準になるからとLINEで帰りの時間を知らせてくれるようになった。

味付けをしたチキンをフライパンで焼き始める。焼き上がるまで時間がかかるから、その間にお皿に野菜を盛り付け小鉢に自家製のピクルスを入れ、ランチョンマットの上にお箸とフォークナイフを並べる。
味噌汁に火をかけたところで「ただいま」と言いながら海がキッチンに入ってきた。

「今日は何?」

「チキンソテーよ」

「それは楽しみ、着替えてくるよ」

海も料理を褒めてくれる。だけど、それほど嬉しいと思えない。
わかっていたことなのに、いざ裏切りの現場を見るとどうしようもなく心が曇ってしまう。


美味しいと言って夕食を食べた後、リビングで少し過ごした後、海はタブレットを見ていたので私は何も言わずに風呂に入ってから、そのままベッドルームに入った。
少しだけスマホでニュースを見た後布団に入った。

「何か拗ねてる?」

「どうして?」

「黙ってこっちに来たから」

「ただ眠たかっただけ」

「本当?」

「海こそどうしたの?」

「奈緒のごきげんが悪いのならお伺いを立てないとって思ってね」

そう言って笑う海をみて、明日の事があるから気を使ってるのかしら、それなら


「それなら機嫌をとってくれる?」

私は海に馬乗りになると、自ら服を脱いでいく。

じっくり搾り取ってやろうじゃないの。
以前の引っ込み思案で自分から誘えなかった私じゃない。
弥生にはちょっとだけの残り滓をあげる。

前回、何度も重ねた身体。
海が好きなこと感じるところはわかっている。
まぁ、弥生もだろうけど、今回の私とは片手で足りるくらいしかシテないから新鮮で刺激的夜をたっぷりと海に味あわせてあげる。

海の鼻にキスをしてゆっくりと舌を這わせながら唇を噛んで舌を割り入れてると海はそれを待ち望んだようにあっけなく絡め取られる。
海は手を腰に回すと引き寄せ、その手で背骨をなぞってまっすぐ下におりていくとお尻をもみしだく。

海の肌の上を滑るように舌を這わせながら胸の突起を舌先で刺激していく。
海は甘い吐息を吐いて私の髪を漉くように撫でている。
硬くなったモノに私の感じる物を擦り付けるように腰をスライドしながら動かしていく。

「今日の奈緒は積極的だね」

「嫌い?」

「いいや、凄く素敵だしこんなにいやらしい身体だとは思わなかったよ」
そう言うと海の指が今でも溢れる蜜壺に指を差し入れ出し入れするとくちゅくちゅと水音が響く。

「俺の手がびちょびちょだけど」

「じゃあ蓋をするね」

私はゆっくりと自分の中に海を物を飲み込んでいった。


二人で絶頂を迎えてすぐに、今まで私と繋がっていたものを、お掃除として口に含み舌をつかって綺麗にしていく。

「せっかく綺麗にしたけど、まだ私の中に入りたいみたい」

「入りたいよ、でもその前に奈緒も綺麗にしないと」

海は起き上がると私の頬を手でなぞり唇を近づける。私はそれを迎えにいくように唇を重ねると、そのまま倒され身体中にキスをされ、私の最も感じるところを舌さきで転がされ3本の指で海が放った物を掻き出していく。

あつっ
うんんん

「もう欲しくて仕方がないんじゃない?」

「うん、欲しい。海の欲しい」

「わかった」というと一気に中にはいってくる。
さっきとは違い、激しく揺さぶられ喘ぎが止まらなくなる。

繋がったまま四つん這いにされ後ろから激しく打ち付けられると肌と肌が当たる音と、絶え間なく溢れる愛液の音がこの上なく淫靡でその音だけでも感じてしまう。
大きく揺れる乳房を背後から強引に揉まれると、その痛みすら快感に変わっていく。

海は最奥まで突き刺すとその先から欲望を吐き出した。
果てる時、私の肩に噛み付いたあと、強く吸った。

「私も海につけていい?」

「いいよ」

困らせようと思ったのにあっさりと了承がでた。

キスマークの付け合いをして結局この後も求め合った。
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