たぶんもう愛せない
〜回想〜
新卒で新宮電機に入社して、第一営業課長である岸真司との交際も広報部の石井さんという女(ひと)に呼び出されるまで順調だった。
でも平穏で幸せな日常が壊れるのは瞬きするよりも速かった。
「山口・・・奈緒ちゃん」
彼女はバカにするような言い方で“ちゃん”をつけた。そもそも、初対面の人にちゃん付けするのはバカにしている様にしか見えないが、それに関して言い返すことなど新人の私にはできなかった。
「わたしのことは解らないんだっけ?」
その問いかけにうなづくだけしかできない。
「じゃあ先にこれを渡しておくわ」
そう言って白い封筒を渡されたので受け取り、裏返してみるとそこには岸真司と石井由貴という名前が連名で書かれていた。
開けなくてもわかる。
披露宴の招待状だ。
「なんで」
声が出なかった。
「慎司は結婚前に遊びたかったみたい。でももう終わりだから。披露宴に呼んであげる、ちなみにわたしたち3年付き合っていたのよ。3年目の浮気ってやつ?」
「まぁそういうことだから。じゃあ」
勝ち誇った様に笑顔で去っていく石井由貴の後ろ姿を見ていると涙が頬を伝っていく。
手の甲で涙を拭ってから、岸慎司に電話をするとツーツーツーという音が響く、電話中だろうか?もしかするとブロックされた?
今度は、ラインを起動して岸が絶対に持たなそうなLINEスタンプをプレゼントする。
スタンプはプレゼントできなかった。
その後、何度か試みるがプレゼントすることはできなかった。
ブロックされている。
涙が止まらなかった。
付き合ってほしいと言ってきたのは岸課長なのに、私の誕生日だって、課長の誕生日だって二人でお祝いしたのに。
最初から遊びだった。
封筒を開けて中のカードを見ると9月19日11時からと書いてあった。
その翌日、経理部長に呼ばれ食事会に出席してほしい、それは休日出勤扱いにすると言われて行ってみるとそれは新宮海智との見合いだった。
新卒で新宮電機に入社して、第一営業課長である岸真司との交際も広報部の石井さんという女(ひと)に呼び出されるまで順調だった。
でも平穏で幸せな日常が壊れるのは瞬きするよりも速かった。
「山口・・・奈緒ちゃん」
彼女はバカにするような言い方で“ちゃん”をつけた。そもそも、初対面の人にちゃん付けするのはバカにしている様にしか見えないが、それに関して言い返すことなど新人の私にはできなかった。
「わたしのことは解らないんだっけ?」
その問いかけにうなづくだけしかできない。
「じゃあ先にこれを渡しておくわ」
そう言って白い封筒を渡されたので受け取り、裏返してみるとそこには岸真司と石井由貴という名前が連名で書かれていた。
開けなくてもわかる。
披露宴の招待状だ。
「なんで」
声が出なかった。
「慎司は結婚前に遊びたかったみたい。でももう終わりだから。披露宴に呼んであげる、ちなみにわたしたち3年付き合っていたのよ。3年目の浮気ってやつ?」
「まぁそういうことだから。じゃあ」
勝ち誇った様に笑顔で去っていく石井由貴の後ろ姿を見ていると涙が頬を伝っていく。
手の甲で涙を拭ってから、岸慎司に電話をするとツーツーツーという音が響く、電話中だろうか?もしかするとブロックされた?
今度は、ラインを起動して岸が絶対に持たなそうなLINEスタンプをプレゼントする。
スタンプはプレゼントできなかった。
その後、何度か試みるがプレゼントすることはできなかった。
ブロックされている。
涙が止まらなかった。
付き合ってほしいと言ってきたのは岸課長なのに、私の誕生日だって、課長の誕生日だって二人でお祝いしたのに。
最初から遊びだった。
封筒を開けて中のカードを見ると9月19日11時からと書いてあった。
その翌日、経理部長に呼ばれ食事会に出席してほしい、それは休日出勤扱いにすると言われて行ってみるとそれは新宮海智との見合いだった。