たぶんもう愛せない
夕食の後、海は長ソファで私はいつも一人掛けのソファでくつろいでいる。

「弥生さんて本当に綺麗よね」

「ん?」
タブレットから視線を上げることなく海が返事をする。

「もともと綺麗だけど、肌もハリがあるし胸も大きいよね」

「そう?」

「そうだよ、よく胸が見えそうな深いカットの服を着てるけど、シリコンみたいなプルプルな胸で本当に綺麗だな〜って」
実際、シリコンバッグがガッツリ入っていそうだけど。
「弥生さんエステに通っているって言っていたから私も行きたいなって。もちろん、弥生さんのように週に2回とかじゃなくて月に一回くらいリラックス出来るくらいでいいんだけど」

「いいかな?」


「奈緒はそのままでも綺麗だし、身体も申し分ないけど、綺麗になりたいという奥さんの願いを却下する甲斐性なしじゃないよ。行っておいで」

「ありがと、あと体力をつけるためにスポーツも始めようと思うの」

「それは賛成、ベッドでは二回目でバテ気味になるし、三回すると翌朝はヘロヘロになっているから」

「それは、海にも責任があるでしょ」

「たしかに否定できないけど、手加減できないんだよ、奈緒が可愛すぎて」

「良く言う」

「だったら、それを証明しよう」

そう言うと、海に横だきにされベッドルームに連れて行かれ日付が変わるまでさんざん鳴かされた。


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