たぶんもう愛せない
<海の誕生日>
「ケーキも手作りにしようと思うの」

「へぇ〜楽しみだ」

「うふふ、楽しみにしていてね。いってらっしゃい」

いつものように海を見送る。

前回、夕方になって海から急な接待があって遅くなると連絡がきた。
料理は帰ったら食べるからと言う通りに、深夜になって帰宅した海は冷めた料理をレンジで温めて食べていた。
私は、海が帰ってくるのをずっと待って一緒に食べた。
接待だから食べることも出来ずお腹が空いていると言っていたが、弥生とホテルで運動してきたのだからお腹が空いただけなのかもしれない。

掃除を終わらせて、フルーツをたっぷりと使ったケーキを作り冷蔵庫で冷やした。
海が食べることは無いのだけど。

夕食の下準備をしていると海からラインが入った。

『ごめん、急な接待が入って避けられそうもない。遅くなるけど料理は食べるから』

やっぱり、弥生のおねだりに応えたのね。

わかっていたことだし、お義父さまと一緒に食事をしよう。

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